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ある日、見知らぬ男が家にやって来た…
男は、私を上から下に、舐め回すように見ながら、私の回りを歩いた…
「…」
私は、嫌な予感がした…
ここ数日、父親は家に戻っていない…
今朝、となりのおかみさんに、言われた言葉を思い出した。
『ここんとこ、あんたのおとっつぁん見てないね…あんたぁ、今のうちに逃げた方がいいんじゃないかい?』
「どうして?」
『また、博打に行って帰ってこないんだろ?今に、借金のかたに、あんた売られちまうよ?』
「…」
『あんた、ちいちゃかったから、覚えていないだろうけど…あんたのおっかさん………借金のかたに連れていかれたんだよ?』
「えっ?逃げたんじゃないの?」
『あんた…そんなふうに聞かされていたんだね…』
「…」
『とにかく…悪いことは言わない…逃げなよ!」
(まさか、そんなこと…)
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