出発

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出発

「お兄さま!」 ケディは、今日も朝から、夢の話をしにやってきた。 「今日は、どんな夢だったの?」 ピンキーがケディを見ると、 少し話すのをためらっているように見えた。 「何かあった?」 ピンキーは、起き上がり、ケディの横に座った。 「私、成長してたの…」 複雑そうな面持ち。 「成長?」 ピンキーは、意味がわからず聞きなおす。 「大人になってたの。 背も高くて、手足長いの…」 ケディは、真剣な顔で、 「私…おかしいのかな?」と、聞いてきた。 「おかしくないよ。」 ピンキーは、ケディをなだめる。 何も話さないケディを心配したピンキーは、 「明日、出発だけど、大丈夫?」 尋ねてみた。 「私、氷の国行って大丈夫かな?」 その心配は、ピンキーも同じだった。
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