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「あのね・・・チルチル。リアルの世界はすごくつまらないの。だからそんな世界にミチルをほうり出すなんてかわいそう。」
「違うのっ!お兄ちゃんにミチルがリアルの世界に行きたいって言ったのっ!本の中で同じ事の繰り返しをするよりずっとリアルのほうが楽しそうだもんっ!」
ミチルの言葉にトショイインは少しかわいそうに思った。
この子達は自分の人生に自由がないんだ・・・。
でも・・・
「だからお願いだよ。入れ代わってっ!僕はミチルに幸せになって欲しいんだっ!それにいつも本の中から見るトショイインは、物語の世界に憧れているじゃないか。リアルが嫌いだからこの世界に来たんだろう?」
リアルが・・・嫌い・・・?
チルチルが言った言葉にトショイインは思い出した。あの白い本と話しをしていた時のことを・・・
大嫌い・・・
たしかにトショイインはそう答えた。
「ねぇ・・・どうすれば入れ代われるの?」
トショイインのその言葉に、二人の顔はぱぁっと明るくなった。
そうだワタシ・・・
リアルがキライだ・・・
じゃあいいじゃない・・・
モノガタリのジュウニンになっても・・・
「あのね、入れ代わりの呪文はね」
「いいのかい?本当に。」
チルチルの話しを遮るように後ろから声がした。
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