モノガタリの中で・・・

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振り向くと後ろには誰もいなかった。 まわりを見回してもチルチル、ミチル、そしてトショイイン以外誰もいなかった。ただ草原が広がっているだけだった。 「トショイイン。僕の話聞いてた?」 チルチルが不安そうに聞いた。 「ごめん。もう一度言ってくれる?」 トショイインは耳をトントンと叩いた。 ・・・空耳? でも、たしかにトショイインは聞いた。誰かの声を。 「じゃあ、今度はちゃんと聞いててよっ! 「聞いててよっ!」」 チルチルとミチルは眉間に少しシワをよせて言った。 トショイインは、うんうんと首を縦にふった。 するといきなり肩が重くなった。そして今度は耳元でさっきの声がした。 「おいおい。ムシかよ三人方。」
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