半分高校生、半分死人

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キーンコーンカーンコーン…… 授業の終わりを告げる鐘が鳴る。 頭部が残念な感じに禿げ散らかった先生が出ていく。 残された黒板を見ると、そこにはびっしりと数式が書き連ねてあった。 というと、今の授業は数Ⅱか。 数Ⅱは五時間目だから、 この後は授業ないな。 すっかり凝り固まった肩と背骨をゴリゴリ鳴らす。 それと、机の上にできた湖をタオルで干上がらせる。 いつの間にか、教室は放課後特有の喧騒に包まれていた。 「帰ろう……」 呟き、昇降口へと向かう。 どうせ帰ったって、大してやることもないけど。 こう暑いと、帰るのも面倒だ。 ……帰る前に、面倒にぶつからないようにしないとな。 中身は空っぽの鞄を持って席を立ち、教室を出る。
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