気づいてしまったこのキモチ。

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同い年に敬語を遣う達弥が、 やけに印象的で、 いつのまにか、呼び捨てで 呼び合うようになった。 毎日メールもして、 学校では友達も いなかったから 達弥と一緒にいた。 「夏希!!メシくおっ♪」 「うんっ♪」 席は離れてるけど、 毎回あたしのとこに 来てくれる達弥。 顔は、カッコイイ方で。 入学当初から、 なんとなく騒がれてたっけ? そんな達弥だから、 同性から色々 言われたりもした。 「あの二人って付き合ってんのかな?」 「濱中が媚び売ってるだけだよ」 「占部くん、カッコイイのに。あの女何者?」 あたしが何か 言われるたびに、 達弥は、あたしの耳を塞いでくれた。 「聞こえない、聞こえない!!俺がいるから」 その言葉が、どれだけ暖かかったか…。 家族がいないあたしには、 達弥だけが心の支えだった。 初めは、 ただのクラスメートだった。 だけど、 少しずつ一緒にいる時間が増えて・・・ 気づけば、 いつも一緒だった。 「んっ!夏希。ゲーセンで取ったから、オソロで付けようぜ!」 「ありがと♪」 優しくて、 面白くて。 思いやりがあって。 今まで出逢った男の人とは、 どこか違うような気がした。 …そんな達弥を、 あたしはいつの間にか 恋愛感情で 好きになっていた。
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