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取り敢えず今日はお偉いさんに会う予定も無いから、勝手にノーネクタイデー。
ラフな感じのチェック柄のシャツにジャケットを羽織って……いざ出勤。
出掛けに寝室を覗くと、百花はまだ静かな寝息を立てていた。
と、ジャケットのポケットに突っ込んでいた携帯のバイブが突然揺れた。
あぁ。馨ちゃんかな。
できるだけ音を立てないように静かに寝室のドアを閉め、未だに揺れている携帯を引っ張り出す。
ほら。やっぱり馨ちゃんだ。
予想通りの電話の主は今、マンションの駐車場でなかなか下りてこない俺にシビレを切らせてるらしい。
なかなか下りてこないって言うけどさ、今日の迎えの時間って確か……。
あ。過ぎてる。ヤっバ。
取り敢えず時計が遅れてたって言い訳は……通用しないよね。
んー。ま、いっか。
要は、会社に時間までに着けば良いって事でしょ?
あとは運転手次第って事で。
結局俺は、そのまま特に急ぐ事もせず、馨ちゃんの待つ駐車場へと向かった。
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