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俺のマンションから会社まで。
そんなに物凄い距離がある訳じゃないんだけど、送り迎えはだいたい秘書の馨ちゃんがやってくれてる。
彼曰く、帰りはともかく朝は自分が迎えに行かないと、社長絶対会社来ないでしょ? だって。
しかも笑顔で言うんだよ?
失礼しちゃうよね。
俺、仮にも社長なんだからさ。
いちいち迎えに来てもらわなくたって、ちゃんと顔くらい出すっつーの。
まぁ、裏では馨ちゃんが全てを仕切ってるって専らの噂だけど、そんな事いちいち気にするようなタマじゃ無いし、俺。
「……社長、私何度も言ってますよね? ちゃんとネクタイくらいしてきてくださいって。だいたいあなたは……」
駐車場で車に乗り込むと、開口一番。
馨ちゃんの小言攻撃が始まった。
もう聞き飽きちゃったから、適当に流しちゃうけど。
あー……それにしても今日は長い。
いつ終わるんだよ。
何? 馨ちゃん、何か溜まってんの?
もうこれは……ある意味子守唄だな。
まぁ、ちょうど良いや。
昨日は百花と楽しみ過ぎてちょっと寝不足だし……。
じゃ、会社に着くまでお休みなさーい。
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