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人生で初めての花火大会。ワクワクしながら浴衣に身をつつみ、友達の迎えの車を家の前で待つ。
「早く来ないかな」
そう呟いた時、ちょうど携帯が鳴った。真矢からだ。
「はいはーい」
「ごめん。道、一本間違えたみたいでさ。今は、柳十字路のコンビニにいるんだけど」
私の家は工業団地の一画にあり、来ない人にはとても分かりづらい所にある。やはり迷ったのか。説明するより、自分が行ったのが早い。
「そこなら近いから、行くよ」
「了解。悪いな」
私は電話を終えて、真矢が待つコンビニに向かった。田んぼの道から、少し通りの多い道路に出る。ここまで来れば、目的地までもう直ぐだ。
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