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「サックス、体験しに来たんだろ?こんな入り口につっ立ってないで、中入れや」
先輩に腕を掴まれてぐいぐい引っ張られる私。
まだ入部したばっかりで名前も分からないのに、強引な人だなあ。
ん?
あれっ、この人…
あの時ソロ吹いてた人じゃん!!
目の前にいる先輩と、あの時のソリストの姿が見事に一致した。
「わーっ!」
思わず大声を出してしまった。
「どうした?」
その場にいた全ての人が不思議そうな目でこっちを見る。
「…いえ、何でもないです」
しまった…
また先輩の前で私のバカをさらけ出してしまった。
「お前、おもしーな!」
結局、サックスパートの先輩達に笑われてしまった。
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