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「名前、何て言うの?」
「後藤咲希です。」
「よし、咲希ちゃんな!覚えた。かんぺき」
「先輩の名前は?」
「俺は、橋本大翔。漢字読めないかもしれないけど、“ひろと”だからな」
大翔先輩。
この人が、新入生歓迎コンサートでサックスソロを吹いていた先輩。
あの時はクールで誠実な人っていう印象が強かったけれど、実際に話してみるととても明るくてフレンドリーな先輩だった。
身長155cmの私よりも頭一個分背が高く、スラッとした体に少し焼けた肌。
髪は茶色がかった黒で、爽やかな自然な感じ。
そして、テレビに映る俳優さんのようなしっかりした顔立ち。
そんなかっこいい先輩を目の前にして、私は内心ドキドキしていた。
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