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「…咲希?」
ふいに私の肩に手が触れた。
驚いて振り向くと、よく見慣れた顔が背後にあった。
「なっ…七瀬!」
「あんた、何1人でニヤついてんの?気持ちわる~」
「ニヤついてなんかないし!」
七瀬の一言で、ついさっきまで喜びで舞い上がっていた自分が恥ずかしくなってしまった。
七瀬とは保育園からの幼なじみで毎日のように一緒に過ごしている。
幼い頃から同じように育ってきたはずなのに、バカな私とは違って勉強も運動も出来る凄いやつ。
何をやってもだめだめな私はいつも七瀬にバカにされるけど、彼女とのそんな毎日が本当に楽しかった。
「ふ~ん」
「…何?」
「何でもない!…それより、クラス分け見た?」
「あっ、忘れてた」
「じゃあ、見に行こうよ」
七瀬に連れられて、生徒玄関へ。
ものすごい人混みをかきわけて、クラス分けの紙が貼られた掲示板を捜し出した。
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