プロローグ

5/8
前へ
/39ページ
次へ
「何故……そんな事を知っているのですか?」 私はそう訊いた。 すると、その街の偉い人はこう返してきた。 「いや、正しくは聞いたのではありません。私の夢でそんなお告げが聞こえまして、確認しようかと。その様子では本当のようですね……」 街の偉い人は、こんな事を平然と言ってのけた。 正直に言おう。おかしすぎる。夢の事を真に受けるなんて、どんな性格なのだろう。 いや、違う。この人は相当困ってるのだろう。おそらく、藁にもすがる気持ちでここに来たのだろう。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加