19人が本棚に入れています
本棚に追加
「レベル4以上の大気操作系、と言った所ですか?ここで殺すのは惜しいですね。」
『ブォォ!』
また、火炎弾かっ、
はっ!
なんの応用もない“火炎弾”なら俺の力で…
火炎弾は俺の能力の“風”によって消えた。
「甘いんですよ。初撃は囮です。」
ちっ!!
名無は火炎弾のすぐ後ろから飛び出してきた。
風のガードが間に合わない…っ!
名無の手が顔の前で止められた。
ゼロ距離で“火炎操作”が使われたら“大気操作”は介入する余地がない。
なら、
直接名無を狙うか!?
俺は見えない“風の剣”を漂わせた…
『ピンポーンパンポーン
予選が終了しました。予選を勝ち抜いた生徒は速やかに体育館に集合してください。』
名無の動きは止まった。
「ふぅ…やっと終了ですか、やっぱり殺さずに戦うのは難しいですね。」
「何だって?」
「あなたは、希少な“上級能力者”ですからね。予選で死なれたら困ります。なにより、このテストは甘くない。戦力はどうしても必要です。特に4回戦は大勢が死にますから…。」
そういう事か、
最初から殺す気なんてなかったのかよ…
いや、
最初からじゃないな、“上級能力者”ってわかってからか。
それに加えて、
4回戦の情報はまだ出てなかったはず。
なのに、なんで名無は4回戦の事を?
「お前はどこまで知ってる!名無!」
ふふっと名無は微笑を浮かべた。
「知りたいなら生き残る事です。私は階級発表があるので先に…」
名無は手の平を壁にくっつけたと思ったら
『バコォン!』
音に驚いてまばたきした頃には名無はとなりの壁をなんらかの能力で壊して外に身を投げていた。
あの方向は体育館…か。
でも、
ここの高さでも10mはあるぞ、ヘタしたら死ぬけど…
そういえば集合がかかってたような?
俺は急ぎ足で体育館に向かった。
最初のコメントを投稿しよう!