テスト開始日

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私が火炎弾を放ってコンマ1秒、 まばたきした瞬間に逆方向から2つ目の火炎弾が現れた…。 十六夜も“火炎操作系”の能力者?……ではないようですね。 まるで、 私が放った火炎弾にぶつけるような放物線を描いきながら凄い音を立てながら進む十六夜の火炎弾。 大きさも、音の反響音も、熱気温度も…、 私の放った火炎弾と全て同等。 まるで、 “鏡写し”ですね…。 !? そういうことですか…。 一杯食わされましたね。 この状況で 十六夜に先に動かれた。 十六夜は直線でぶつかり合うであろう火炎弾の軌道を裂けて、半円を描きながら名無に走ってくる。 恐らく、 十六夜の“鏡写し”は“相殺”狙い。 つまりこの状況でやるべきことは1つだった。 敵よりも早く先手を打つ。 これが十六夜を殺す絶対条件。 まぁ私もこの程度で殺せるとも思えませんが…。 『バン!!』 『ゴォォォォ!!』 名無 の火炎弾と 十六夜 の火炎弾が”相殺“した。 凄まじい熱気と共に十六夜は深く、深く笑いながら走ってくる。 先手を取られてしまったいじょう防戦はやむを得ませんか…。 「よぉ、“最強”ォォォ!」 「うるさいですね、なら…コレはどう避けますか!!」 私に覆い被さる様に両手を大きく広げて接近する十六夜に向けて“風の剣”を公使した。 「だ・か・ら・ぁぁぁ!オレの“威力相殺”の前じゃ意味ねぇのぉぉ!!」 『ザシュシュシュン』 そのまま時が進めば十六夜の胴体を確実に引き裂いていたであろう“風の剣”は何かの力で弾かれ、相殺された…。 激しい突風が起きる。 十六夜は不敵な笑みを浮かべ、高く笑った。 「あぁぁ?“最強”ってこんなもんかぁ?」
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