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めんどうですね…。
あの“威力相殺”。
さっきの“風の剣”。
実は360°全角度から十六夜を打ち抜いたんですが、全て相殺されましたか。
こんな程度じゃ潰れませんか…。
ふぅ…と私は一呼吸着き、十六夜を殺す算段を考えた。
まずは、
あのうっとおしい“威力相殺”から攻略しないといけないならやることは決まってます。
私は手を十六夜に向けた。
『ブォォォ!!』
摂氏10000°の火炎弾が十六夜に襲いかかる。
「だーかーらよぉ、意味ねぇって何回言えばわかんだっつうんだよ!!」
火炎弾は“また”鏡写しの様に逆方向から現れる。
もちろん、
こんなんであなたを殺せるとは思いませんよ。
そして、
これが二手目。
私は名無の火炎弾と、十六夜の火炎弾のド真ん中に割った。
そう、
2つの火炎弾の丁度直撃する位置に…。
「ブォォォォォン!!」
灼熱と灼熱がぶつかり合った。
「あぁ?まさか、自殺ってわけじゃねぇよなぁ?“最強”よぉ」
十六夜は火炎弾の影響で燃えた火の渦をじっと見つめた。
“最凶”の笑みを浮かべながら。
「ちっ、!やっぱ生きてんのなァ。」
灼熱の渦の中からゆらゆらと動く影を見た十六夜は眉をひそめ、体に力を入れた。
『こんなんで死ぬと思いましたか?これでも、伊達に“最強”名乗ってるわけじゃないんですよ。」
「そうだよなぁ。もっと楽しませてくれないとつまんねェ。」
“威力相殺”…。
確かに強い能力ですが、弱点はつき物です。
今の一瞬、
火炎弾に割り込んだ一瞬、
私は“火炎操作”の能力を使いました。
あのレベル5との殺し合いでも使用しましたが、
“火炎操作”のカテゴリから抽出した“写し蜃気楼”…。
“火炎操作”で発生する熱気を使った疑似蜃気楼の発現。
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