テスト開始日

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“火炎の応用”は、 一つの能力の使い方で。 形や、密度、温度、を自由に変化させられる技術です。 さっきの、 “写し蜃気楼”もその一つ。 熱気を発生させてその方向を私が補正させる事で作る幻想。 そして、 これから発動する応用は他と違い莫大過ぎる力から、 脳への負担が大き過ぎて使える時間は3分程度しか保ちません。 ですが、 十六夜の“威力相殺”を破るにはコレしかありません。 なぜなら、 十六夜の“威力相殺”の弱点の問題…。 “意識変換”でわかった“威力相殺”の弱点。 一つ目の弱点は、 相殺できないレベルの超莫大な威力で叩き潰す事。 二つ目の弱点は、 今の私じゃ不可能です。 なら、 道は一つしかありませんよね? さぁ…。 反撃の時ですかね…! 『シュウウウウォォォ』 異音と共に私の右手には10m程の灼熱が集まり炎剣になります。 長さなんて何mにでも伸ばせるのですが、10m以上だと無駄に被害が大きくなるだけですからね…。 それに、 この炎剣。 常に炎を振動させて、炎同士の摩擦を人為的に生み出す事で炎の温度を無限に高める… なんてゆう鬼のような追加能力ももってます。 この追加能力だけじゃないんですが…。 「天国に行きたいか、地獄に行きたいか決めましたか?」 炎剣の熱気と高温で私のまわりは明るく照らされ、熱気で空気が揺らぎます。 「ちっ、馬力で押す気かよ!」 今まであんなにも余裕だった十六夜が途端、焦り始めます。 『ゴゥゥ!』 右手を高く上に上げた。 炎剣は紅い残像を残しながら振り上げられた。 その時間5秒。 十六夜は無闇に近づかずにその場で構えた。 ヘタに近づいてゼロ距離で振り下ろされたら元も子もないですからね…。 この炎剣は単純な形ですが、“火炎の応用”で最大のパワーを誇ります。 これを、 相殺されたら勝ち目はゼロですね……。 ゆっくり 炎剣を振り下ろす。 『バババババァァン!!』 直径10mの炎剣が十六夜がいた場所一帯を爆裂させた。 『シュゥゥゥ……』 ステージからは煙が立ち上る…。 「あけまへんよ。ここまでヤりおうたら本気の度合いに入ってしまうで…?」
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