テスト開始日

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――総理大臣官邸―― ――安倍晴明―― ここは、 総理大臣官邸の地下…。 暗い研究所のような所に場違いに小綺麗な机と高級なスーツを羽織った日本を動かす重役…総理大臣がいた。 白衣の研究者達が忙しく右往左往している中、真っ黒な学ランを着ている少年は総理大臣の前に立っていた。 色んな所で、 機械が点滅したり画面が入れ替わったりして官邸とは言えない場所であった。 特殊な機材やネットワークを介して全国の予選突破者を洗い流してるっちゅう話なんやけど……。 何度きても落ち着かない場所やな~……。 「ほんま凄いですわーこんな研究所全世界中どこを探しても見つかりまへんよ。あと、これ例のモノです。」 僕は手に持っていた白い紙を総理大臣の鎮座している机の上に置いた。 「あぁ、君は仕事が早くて助かる。それと、十六夜死相と名無太郎が交戦…それで君が止めてくれたのか?」 総理は紙には目も触れずに質問してきた。 「そないな大層なもんや違います…。名無はんが追い討ちを駆けておうたら死んでますわ。それに、名無はんが本気を出していないとはいえ、十六夜はんもかなりの猛者ですえ?模擬テストのランキングだと第十位。“プラン”を成功させるには、名無はんだけやと不安やないどすか?」 「何を言っているんだ、現段階の名無太郎じゃ君には勝てないだろう?それと、名無太郎の“第一プラン”の他にも多少回り道になるが神代ルートの“第二プラン”が用意されている。もちろん名無太郎は“第一プラン”の要だが、替え玉もある…。君が心配する程ではないさ。」 『プルルルル』 胸の空いた学ランのポケットが携帯のバイブで細かく揺れる。 「僕の電話やね。」 ポケットに手を突っ込み携帯の着信画面を覗く……。 ……なんやて? また仕事が増えそうやなぁ。
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