テスト開始日

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着信相手は空海…。 僕の仕事仲間みたいなモンやわ。 そして、 空海はランキング“第二位”の神代神染(じんだいかみそめ)を監視する役。 まぁ…。 他にもランキング上位者は見張るように、って上からの伝がありますからなぁ。 もちろん、 名無はんにもついとります。 それに、 “第二プラン”に必要らしい神代が死んでもうては困まるからなぁ。 特に、 空海は緊急の時以外は連絡を寄越さへん奴やからな…。 緊急の電話の可能性が高いどすな。 なんにせよ…。 出てみるしかあらへんね。 『もしもし、晴明か?』 「えぇそうやで。なんかの報告どすか?」 『鷺ノ宮学園の話なんだが、どうやら“神代神染”の動きが怪しい。どうする?』 やはり、 神代どすか…。 神代 神染………鷺ノ宮学園の主戦力であって、 数少ないレベル5の1人。 更には、 僕らお国の人間を嫌う危険人物の1人…。 つまり、 神代はこのテスト自体にあまり乗り気ではないということ。 その神代が怪しい行動をとるとなると…。 何が狙いや? 軽く頭を回転させたが、中断された。 答えが出ないからだ…。 考えてもしゃーないか…。 「せやな、詳しい事情がわかるまではそのまま監視体制で頼んます。」 『了解。ブチッ……』 通話は終了し、携帯は元いたポケットに突っ込んだ。 「ほな、僕は残業が残ってるんで帰りますわ。さて、こっちに堕ちてくるのはどの羊やろな…。」 口が裂けるくらいに曲がった口がそう言った。 明日は“一回戦”…。 面倒な事が起きる前に早めに終わらしてまおうか。 棒倒し…。 クスッと笑い常闇へと消えた…………。
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