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――2F廊下――
――十六夜死相――
廊下は深紅の色に包まれていた。
男は武器を殴り捨て、
片膝を着き懇願する…。
助けてくれ…と。
「なんだぁ?その馬鹿みたいな面?口で語んねぇとわかんねぇぞ……グチャグチャの肉塊にされたくなかったら懺悔の一つでもしてみろよマネキン。」
青年はケラケラ笑う
狂気の手は止まることなく男の額に触れる。
「頼む…もうやめ」
『ゴバァァ』
堅い頭蓋が割れる音が辺りに響き渡る。
「アハハハハ楽しぃねぇ、退屈しねぇよテメェら!!」
鮮やかな焚血を纏って十六夜は高く笑った。
だが、
終わってなかった。
十六夜は全員残らず殺戮した…と思い込んでいた。
その考えが油断を産んでしまった。
「名無よりランキングが高いって聞いて来てみたら、雑魚相手に随分とデカい態度だなぁ」
あるはずのない第三の声が発声された。
あぁ?
まだいたのかめんどくせぇな。
「テメェこそデカい口叩いて秒殺されんじゃねぇぞォォォ!!」
十六夜は勢い良く声の方向へ首を振る。
これで、
2階は最後の生き残り。
わざわざ“棒”を破壊しにいく必要はねぇ
相手の高校生が全員死亡したらこちら側の“棒”を破壊できる者はいないのだから……
十六夜は振り向きざまに
ゴォォっと強い風を感じた……
『ズバババン』
廊下が何かの力によって切り刻まれる。
その廊下で十六夜だけが無傷で、避けようとしなかった。
実際は、
避けようとしなかった…じゃなくて避けられなかったの方が合ってんのかぁ?
後ろにいる敵機からの突然の斬撃。
その太刀はあまりにも鋭く、早かった。
「そのオートガード、力押しで破れないか…。」
オートガード……?
俺の“威力相殺”のことか。
十六夜の能力であり、最強の“盾”レベル4の能力であってレベル5を超える能力……。
なんで俺の能力を知ってんだぁ?
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