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2022年。
神戸市中央区。
薄暗い高架下を抜けると
がやがやうるさい定食屋が目についた。
「あいかわらず
つぶれそうだな、この店……。」
美食亭…
とてつもないほどの
うさんくささを放つのれんをくぐると、まあ中途半端な年齢層のグループが一斉にこっちを見た。
「ぶぶー
か、変わってねぇーな!!」
イモのような顔をした
小太りが笑いながら言った。
「あいかわらず背低っ!!」
こっちは鳥顔。
成金のような格好をしている。
「遅くなってすいませんね。」
と嫌味ったらしく答えた、無精ヒゲ面の男。青年期にはさぞモテただろうと思わせる、甘いマスクがヒゲと合っていない。
外川ヨシキ。
男の作業着についている
名札に殴り書きで書かれている。
席につくなり
「お前らも変わんねーな。」
と言い、安そうなタバコをくわえて火をつけた。
「お前まだ
タバコ吸ってんのか?」
と小太りイモが問う。
この男は小戸ショウゴ。
「うっせーよ。
っというか君誰だっけ?」
明らかに知っているように笑いながら、外川は鳥顔成金に話しかけた。
「お前が誰だよ!!」
鳥顔は怒り顔で返した。
だが、これが彼らのノリというヤツなのだろう。
「アハハハ!!」
みんなの笑い声が響く。
この鳥顔は比念ユーイチ。
「同窓会に遅れてくるやつがあるかよ!幹事の俺が叩かれるんだぞ!」
と比念。
「つぶれそうで見えなかったんだ、この店もこの店の未来も。」
負けじと外川が言う。
「ちょっと、お前の頭がつぶれそうだろ。」
キッチンから声がする。
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