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「店員さん、ストロベリーパフェを3…」
「糖尿になるよ!その若さで糖尿になるよ!」
「まじうるせーわ。何なの?うる星やつらなの?うる星の住人なの?」
「意味わかんねーよ!
ほんと食いすぎですよ!」
「お前の分も頼んでやってんだから文句言わないでくれるかね、フライド君。」
「揚げられてないわぁ!
チキン顔なだけじゃー!
しかも俺の分もアンタがひとつ残らず食ってんじゃねーかぁ!」
「やだねー。最近の若い子はすぐキレて。ゲーム脳ってやつだね。この前、ほんまですよテレビで言ってた。」
少年がパフェを食いながらつぶやいた。
「アンタいいかげんに…」
ガシャーン!とガラスが割れる音が響いた。
「よしきー!!!お前金返せよこのやろー!!!」
4、50代のコック姿の男がファミリーレストランのガラスを、マジンガーZのような拳でぶち割り、走ってきた。
「び、びがわのおっふぁん!(み、美川のおっさん!)」
少年は3つ目のパフェのカップを手に取り、食べながら走りだそうとした。
その時、比念の方を向き
「ここにいつでも連絡くれ!」
と言い、ポケットから出したトランプを手裏剣のように投げた。
「ちょ、ちょ待って!」
比念の言葉が聞こえていたかは定かではないが、少年は走り去った。そのあとを、美川のおっさんと呼ばれる男がものすごいスピードで追いかけて行った。
「何なんだよアイツ…」
比念は何気なくトランプを裏返してみた。するとホームページのURLが書かれている。
「ワケわかんないよ。まったく…」
比念はレジカウンターへ向かい伝票を店員に渡した。
「15850円になりまーす」
「か、金足りねーじゃねーか!!!あのチビー!!!」
比念は頭を抱えながら叫んだ。
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