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薄暗い寝室らしき部屋で、男が一人、床で寝ている。
薄暗いせいか、男の顔はよく見えない。
指先が熱い。 何かを強く握っているようだ。
しかし、自分は手に握っているものを見ようとはせずに、足元に流れてきた液体を踏み付ける。
するとその液体は、ピチャッと音を立てて四方に飛び散った。
液体が靴下に染み込んでくる。
そのまま足を動かして絵を描くようにしながら液体を広がしていく。
不意に、誰かの足音が耳に入ってきた。
振り返ると同時にドアが開き、目映い光が目に飛び込んでくる。
眩しさで腕で光から目を隠すようにしながら目の奥のクラクラした感覚に耐える。
数秒して目が慣れると、ようやくドアの向こうの光をバックにして立っている人の姿が見て取れるようになった。
どうやら女のようだ。 カールした明るいブラウンの髪が光に照らされて光っているように見える。
その女はネックレスか何かを握りしめ、驚きと困惑の表情でこちらを見ている。
その顔を確認すると、自分はベットに上がり、カーテンと窓を勢いよく開け放つ。
窓の桟に足をかけ、そのまま足に一気に力を入れて、飛び出すようにして外に出た。
すると、世界が回り、闇につつまれていった。
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