操り人形

2/8
前へ
/15ページ
次へ
嫌な夢を見た。本当に奇妙で、嫌な気分にさせる夢だ。 いや、奇妙というほど奇妙ではないのかもしれない。 夢の内容はごく単純なもので、目の前に倒れている男がいて、自分は遊んでいて、それを誰かに見られて逃げ出す夢。 というか、あれは僕が誰かを殺していた夢だったのだろう。 誰を殺していたのか、そして誰にそれを見られたのか、それは全くわからないけど。 とりあえず二人とも僕が知らない人間であることには変わりないし、それが少しだけ安心できる要素だ。 それに、殺したり殺されたりする夢は縁起がいいらしい。 なんでも、人生の転機で自分自身が変わる前触れだとか… もしそれが本当なら、ここ一ヶ月に五回ほど似たような夢をみているから、今月が転機ということになるのだろう。 そんなことを考えていると、ふと自分が何をしていて、何をするべきなのかを思いだした。 そうだ、今は大学の授業の最中だった。僕は授業の最中に寝てしまったのか… なんだか最近寝てばかりいるような気がする。この間もも立ったまま寝てたし。 とりあえず僕は、机から頭をあげて周りを見回した。 どうやらまだ授業は終わってないようだ。よかった。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加