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峰岸先生の残り香に酔っていた私に、恵那はずいっと顔を近付ける。
「え、いいけど…何？」
恵那の小悪魔な笑みに、思わず体を引いてしまう。
「凛々に会いたいって。藤沢が」
「…藤沢くん？なんで？」
会いたいと言われる理由が分からず、キョトンとしてしまう。
藤沢くん…、恵那の友達で、2回くらいみんなで遊んだっけ。
よく喋る、盛り上げ役だった気がするけど……実のところ、あんまり覚えてないや。
私の反応を見るや、恵那は、あーあ、と微妙な表情をする。
「脈なし、か。ドンマイ藤沢」
「え、何が？」
「…なんでもない。
奢ってくれるみたいだから、ケーキでも食べに行こうよ」
ケーキ、の言葉に、ぴくりと反応する。
「…行く」
「はいよ」
返信するのか、またしても恵那は携帯をカチカチといじり始めた。
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