木曜日の憂鬱

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「…禁断の? って、…不倫とか?」 「まーそんなんもあると思うけど。 他にも、色々あるんじゃない? 年の差とか、家柄の違いとか、自分達の気持ちだけじゃ無理っていうのが」 「…ふーん」 「あ、あと王道では、血の繋がった兄妹とかね」 「……それは。 さすがに漫画の読みすぎでは?」 「なによ。 萌えるじゃない」 どこまで真剣に話しているのか分からない恵那にため息をつく。 …禁断の恋、か。 そういえば、誰かともそんな話をしたような…。 曖昧な記憶に違和感を感じていると、恵那が思い出したように「あ」と声を上げた。 「そういえばホームルームが始まる前に、あんたの友達が来てたんだ」 「え?だれ?」 「えっと、なんだっけ。 確か、B組あたりの。 目がくりくりしてて、お人形さんみたいに可愛い子」 「……美鈴?」 「そうそう。 そんな名前だったわ。 あんた家守に拉致られてたから、いないって言ったら帰ってった」 「…そう。 珍しいな、どうしたんだろ…」
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