羊の皮を被ったオオカミ男

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男の人の身体が、こんなに固くて重いなんて、知らなかった。 足をバタバタさせたり、手をグーにして高雄の胸を叩いたりしても、相手は全然動じない。 こわい……、こわいっ…! 高雄に対して初めて芽生えた感情だった。 声を出せないから、やめてとか、ごめんなさいすら、言えない。 「……っ!?」 高雄の舌が、首筋から鎖骨に流れる。 着ていたパーカーのファスナーを下ろされて、ほとんど下着に近いキャミソールの裾から、冷たい手が侵入した。 直接肌を撫でられて、身体がビクンと動く。 「…んっ、んーっ!」 そのまま高雄は背中に手を回し、ブラのホックを外そうとした、瞬間。 頭を振る私の目から、ポロ、と、涙が零れた。 「……泣いたら、やめてくれると思う?」 ひどく冷酷な声が下から聞こえてきて、私は少し、頭を上げる。 口を覆っていた高雄の手が、するりとほどかれた。 「泣いてやめてって懇願して、…やめてくれる男ばかりじゃないんだよ」 「……た、たか……」 ようやく出せた声は、震えている。 ボロボロと泣く私を、高雄は腕を引いて起き上がらせた。 「今みたいに口を抑えられたら、大声を出すことも出来ない。 力では到底、敵わないしね」 そして肩からずり下がったパーカーを直し、ファスナーをゆっくり上げていく。 .
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