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足取り重く教室に戻ると、恵那が私を見て、眉間にシワを寄せた。
「…どしたの、凛々。
なんか暗いオーラが漂ってるけど」
「…恵那ぁ、…どうしよう」
「どうしよう、って言われても…」
「……美鈴、どうしちゃったんだろう…」
「うん。 相談に乗ってあげるから。
とりあえず、美鈴って誰よ?」
「………」
足を組んで手招きをする恵那の前の席に、ちょこんと座る。
そして、…足の歯形の事以外、美鈴のことを恵那に話した。
「…ああ、前に凛々を呼びに来た子か。
確かに、生粋の真面目なお嬢様って感じだったわ」
「…学校サボるなんて、ほんとに考えられなくて…。 もう、心配で…」
「まぁねー。 今日だけならまだしも、その分じゃ金曜日もそうだったんじゃない?」
「……多分」
ため息をつく私に、恵那は頬杖をついて、
「そんなモヤモヤしなくても、放課後行けばいいじゃん。 美鈴ちゃんの家。
どうせ学校終わる時間には、なに食わぬ顔で戻ってんだからさ」
と、首を傾げて言った。
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