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ぽろ、と、目から鱗だった。
あの家に行くなんて、考えもしなかったからだ。
「え、でも…。
美鈴は学校に行ってることになってるし、もし、私が行ったときに戻ってなかったら…」
「何もアポなしで突然行けって言ってないじゃん。
“連絡つかないから今から家行く”とでもメールしとけば、何かアクションあるんじゃないの?」
「…そっか。 …そうだよね。
恵那、あんたってすごい…!!」
「……お役に立てて嬉しいわ」
目を輝かせる私に、そんなことも思い付かなかったのか、と言わんばかりの呆れ顔の恵那。
そんな親友の微妙な空気に構わず、私は悶々としていた気持ちに光りが差したようで、心を軽くしていた。
すると。
「何の話し?」
椅子に座っている私たちの頭上から、可愛らしい声。
甘い香りと共に、峰岸先生が微笑みながら、私たちを覗き込んでいた。
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