彼と私の関係

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「うーーん、なんか、何でもよくなってきた。」 夕食の後。 シャワーと宿題を終わらせて、後回しにしていた選択授業のプリントを見つめる。 「とりあえず恵那と同じ経営学…講師は実績のある実業家、かぁ。 もう一つ…経済学、政治学、福祉、はパスだな」 「なに?宿題?」 ぶつぶつ独り言を呟く私の上から、高雄がひょい、と顔を出す。 シャワーを浴びていたらしく、頭をタオルでガシガシ拭きながら私の手元に目をやっている。 「違う。 選択授業、明日までに決めなきゃ」 「あー…なるほど」 ギシ、と、後ろから両手をテーブルに置いて、まるで私を包み込むような格好になる。 …近いんですけど……。 顔のすぐ横に高雄の息遣いを感じて、少しだけ緊張してしまう。 ふんわりと香る石鹸の香りが私の鼻をくすぐった。
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