彼と私の関係

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プリントを両手に、うんうん、と頷く私の髪に、高雄がすぅっと指を通す。 胸まである自慢の黒髪が、さら…、と高雄の指先を擦り抜けていく。 「竜胆氏の代わりの講師は、きっと優しいよ」 「知ってるの?」 「うん。教えてあげないけど」 「…ケチ」 ふっ、と、目を細めて、高雄の顔が近付く。 ――あ…、くる……。 私のすぐ前に影が出来て、ゆっくりと、目を閉じる。 …――唇に、柔らかい感触が重なった。 .
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