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唇をくわえるような、しっとりとしたキス。
ちゅっ、と、唇を吸われる度に、
顔の角度を変える度に、
身体が熱くなって、頭に靄がかかったようになる。
――高雄が、好き……。
キスを繰り返す度に、浮き彫りになる自分の気持ち。
高雄はゆっくりと唇を離すと、もう一度、小さく啄むようにキスをくれる。
離れるのが寂しくて、高雄の首に腕を回し、ぎゅうっ、と抱き着く。
「…甘えん坊だね、お嬢は」
「うるさい、狼男」
高雄はくすくす笑いながら、私を抱き留めるように背中で手を組んでいる。
……いつも、受け止めてくれても、抱きしめてはくれない。
「…高雄」
「ん？」
「部屋まで運んで」
ふっ、と息を漏らしたように笑ったかと思うと、高雄はひょい、と、私を抱き抱えて、冗談まじりの声で言った。
「仰せのままに、お嬢様」
．
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