青天の霹靂

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「……日本文化における歴史や創設、また、華道、茶道、古楽器などの実習も行う予定で……」 淡々と、だけども穏やかな声で今後の授業内容の説明をする高雄。 美鈴を始め、日本文学を選択した20人ほどの女子は、そんな高雄に見惚れている。 ムスッとしているのは私だけ。 ……でも、考えようによってはラッキー、なのかも。 高雄が先生ということは、試験のヤマを教えてもらえたり、論文を手伝ってもらえる。 高雄は私に甘いから…… なんて、私の悪巧みを知っていたかのように、壇上にいる高雄がこちらを見てにやっと笑った。 「それと、試験ですが、実技の発表で成績を決める予定です。 …論文やペーパーテストでは、誰かに頼ってしまうかも知れませんからね」 明らかに、私を見て言ってる。 ……最悪…。 全部、私の考えてることはお見通しってわけだ。
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