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「えーっ!家守が臨時講師だったの?!」
「恵那!声っ、大きい!」
ぱっと恵那の口をふさいで、周りをキョロキョロと確認する。
放課後だから、もう教室には私たちを含め数人しか残っていなかった。
誰も恵那の大声を気にしている様子もなく、息をついて塞いでいた口を解放する。
「すっごー…。
生徒は知らないだろうけど、先生達は知ってるんでしょ?一緒に住んでること」
「や…どうだろう。
高雄が私の後見人って知ってる人は少ないから…」
「ああ、そっか」
高雄は、生田の家守、もしくは師範としての顔が広い。
恵那はあの『離れ』に遊びに来たことがあるから知ってるけど…、
それでも、一緒に住んでるって言った時は驚いてたっけ。
「まぁ、でも決まっちゃったんだから、腹くくらないとね」
「…あいつ、絶っ対、女子高生に囲まれたいから臨時講師なんて受けたんだよ!
さっきもオリエンテーション終わってから、女の子にキャーキャー言われて…」
「…り、凛々……」
「鼻の下伸ばしちゃって…。
あのロリコンめーー!」
「凛々!ヤバい…って…!」
「……誰がロリコンだって?」
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