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「紹介しとこうと思って。
こちら、ご令嬢の……」
ドアから姿を見せた住み込みさんに、私を紹介しようとした高雄が、私の顔をみて怪訝な表情になる。
…多分、私は、これ以上ないくらいに、目を大きく開けて固まっていたからだ。
「…ああ、やっぱりそうだったんだ。
……久しぶり。俺のこと、覚えてる?
凛々ちゃん」
赤っぽい髪色に、耳にはピアス。
穏やかに笑うその人は、以前、藤沢くんと一緒にいて、パフェを黙々と口に運んでいた、
……洋介さん、だった。
「えっ、えーっ?
よ、洋介さん?!だよね??
えっ、住み込みさん?
…えぇーーっ!」
驚きのあまり、頭が追いつかずに、えーっ!という言葉しか思いつかない。
対する洋介さんは、私の存在を既に知っていたようで、「やっと会えたねー」なんて呑気な笑顔を見せている。
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