パーティーに潜む嵐の予感

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あまり男の子と関わらない私だって、人並みの知識と警戒心は持ち合わせてる。 だって、あれが藤沢くんなら、きっとあんなに簡単に家に上げてない。 洋介さん、だから。 本家に住み込みとして住まうことを許された人間だと知っていたから、『離れ』に入れることにも抵抗はなかった。 「…危ういよ」 その言葉は、私を信頼していない証拠。 高雄には、私は世間知らずの子供と映っている証拠だ。 じっと私を見据えたまま、高雄は続ける。 「危ういよ、お嬢は。 俺しか、男を知らないんだから」 慈しむように、だけど切なげに揺れた高雄の瞳。 その言葉の意味を理解するのは、…もう少し、後のことだった。 .
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