晴天の霹靂 2

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…あれ? 3階のここからじゃよく見えないけど、…制服を着た女の子が、必死に誰かに話しているようだった。 セミロングの柔らかそうなくせっ毛の髪に、目の上ぎりぎりに揃えられた前髪。 白い肌と大きな瞳。 …まるでお人形のように可愛らしいその風貌は、遠目にでも分かった。 ……美鈴? 机に座ったまま、少しだけ窓に体を寄せる。 すると、美鈴の向かいに、茶色の頭がちらりと動く。 壁に寄り掛かるようにして、美鈴と向き合って話している人物は、顔は見えないものの、…男の人だと、直感的に感じた。 …誰と、話してるんだろう。 声までは聞こえないものの、楽しく談笑している様子ではない。 …むしろ、切羽詰まったような。 「…あ」 やがて、美鈴は顔を隠すようにして、その人を置いて昇降口へ走って行ってしまった。 ……泣いてる? 「凛々。 どうかした?」 隣からの恵那の呼びかけに、ハッとする。 「…ん、なんでもない。 いい天気だなって思って」 それを聞いた恵那が、「平和だねー」と笑った。 私も笑顔を返してから、もう一度、窓の外に視線を向ける。 そこには、もうすでに誰もいなかった。 中庭の生け垣の真ん中で、小さな噴水がキラキラと光っていた。 .
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