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その人物は叫んだ。
「け、刑事さん!ワシの、ワシの死体が消えたんじゃあ!なんとしても捕まえてくれい!」
瀬崎は園山に確認する。
「こちらの方は?」
「こちらは、この家の主人で第一発見者でもある伊原市蔵さんです」
「なんと、被害者の!?この度は大変なことに……」
瀬崎は市蔵にお悔やみの言葉をかける。
市蔵の目から涙が一気に溢れ出た。
「うう、くうううっ……。必ずや犯人を……」
市蔵は人目もはばからずに泣いた。
瀬崎の胸に、熱い情熱の炎が燃えたぎる。
なんとしてでも、この目の前の被害者のために、一刻も早く事件を解決しなければ。
園山刑事が市蔵の両手を力強く握りしめた。
「旦那さん。大丈夫です!我々警察が全力で犯人を突き止めて見せますよ!」
園山も頼もしくなった。まだまだ若造だと思っていたが、立派に一人前の刑事に成長しているようだ。
瀬崎は後輩の姿に嬉しさを感じていた。
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