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「なんですって!?警部!!」
園山は驚きを隠せなかった。
市蔵も語気を荒げ、瀬崎に食ってかかる。
「そんな……。うちの者に犯人がおるなど……。いくら警察でも、無茶苦茶な発言じゃあ!」
瀬崎は、その低い声で取り乱す市蔵を制する。
「ご主人、落ち着いてください。この犯罪は、この家の構造を知り尽くした人間にしか行えないんですよ」
瀬崎の言葉に園山も同調する。
「確かに!外部の人間が行える犯行とは到底思えません!」
「じゃが、しかし」
市蔵はまだ不服の様子だ。それはそうだろう長年連れ添ってきた家族が疑われているのだから。
市蔵は複雑な胸中で二人の刑事を見つめていた。
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