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ガチャガチャ
浩之が扉のノブを回す。
「鍵は閉まっているな……」
続けて浩之は扉を強くノックし始めた。
「親父!いないのかい?親父!」
和子は市蔵に持病があることを思い出した。
「まさか……。旦那様は心臓を患ってらっしゃいますから……」
その言葉に、浩之の顔が一気に青ざめた。
「じゃあ親父は中で発作で倒れて!?」
そう叫ぶと、さっきよりも強い勢いで扉を叩き出した。
「親父!居るんなら返事をしてくれ!親父ぃ!」
「ああ、どうしましょう」
和子はそう言った。
浩之は扉を激しく叩き続ける。
和子は廊下の奥からこちらに向かってくる人影に気付いた。
それは騒ぎに気付いた雪江だった。
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