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「よし!扉が壊れたぞ!」
浩之のその言葉を合図にしたかのように、四人は書斎の中へと一斉になだれ込んだ。
「大丈夫か!親父!」
「旦那様!」
「あなた!」
「わ、わし!」
それぞれがそれぞれの呼び方で、書斎の中で倒れているはずの伊原市蔵を呼んだ。
そして、部屋の中の光景を目撃した彼らは、全員が一字一句たがわぬ言葉を発することになる。
「いない!部屋の中には……誰もいない!」
密室だったはずの書斎から、市蔵の姿は消えていた。
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