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きゃ―――!と
クラスに叫び声が響く。
「ちゅ…」
と触れあってた唇が、離れるリップの音と、唇に感じる感触が今私が何をされたのかを教えてくれた。
…………キス…?
私が…藤堂…一に…?
小刻みに私の体が震えた。
パシッ!
気付いたら、私は
藤堂一を叩いていた。
「…こんな、屈辱…初めてだわ。」
私の震える唇が
無意識に呟いていた。
「――った~!何も叩かなくてもいいのに。キスぐらいでさ。」
悪びれもせず、
叩かれた頬をさすって言った。
「…………」
「…なに?もしかしてファーストキスだったの?」
「…………」
「図星ぃ?ま、でも大丈夫だよ。」
スタスタと私に近寄ってきて
「あとで、俺でよかった。って思うようになるから。」
そう耳元で呟いた。
「最近俺、百合ちゃんにちょっかい出してたでしょ~?実はそれね。百合ちゃんでこの学園の女子、全員落とし終わるからなんだよねぇ。」
「…………」
「つまりさ、百合ちゃんを落とす為に近づいてたの。でも、そっかぁ。俺には惚れないかぁ。」
「でも俺、惚れないって言われて、惚れさせなかったことないんだよね。」
「…何が言いたいの。」
「俺も宣言しようかと思って。」
そう言って、私に
顔を近づけてこう言った。
「絶対に百合ちゃんを俺に惚れさせる。」
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