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朝だ。ベットから出て着替える。
「い、、、」
腕にアザ。俺は腕に出来た青たんを眺めながめる。これは・・・昨日の。よく考えると身体のあちこちが痛い。
結構本気だったもんな。
殴られてた記憶はないけど、顔にアザできてたらどうしよう。
だいたい、なんであんなことになったんだっけ。てか、和泉さんの一撃、あれで全部飛んだ。
部屋を出ると和泉さんがすでに食事をしてる。兄貴はいつものように台所に立ってる。
顔を洗いに洗面台へ。鏡に映った自分の顔を見る。よかった。顔にアザは出来ていない。
「おはようございます。」
和泉さんの隣に座る。
「おはよう。ひどいアザだな。」
和泉さんが俺の腕をちらっと見る。
「え、ああ、、、なんかよく覚えてないんですけど。止めに入ったら巻き込まれて。」
「そりゃ、災難だったな。」
「誰が止めに入ったって?」
俺に目玉焼きとコーヒーを持ってきた兄貴が言う。
「だって、最初は二人だっただろ。」
「それにさらにふっかけたんだろーが。」
「しねえよ。そんな面倒くせえこと。」
「みろ、俺アザだらけだ。」
兄貴がTシャツを捲る。
確かに腹がひどい紫色になってる。痛そ。
「青たんならまだましだろ。俺なんか歯形ついてっぞ。どっちだ、噛みついたの。」
秋が腕を見せながら席に着く。ほんとだ、歯形がくっきり付いてる。たぶん、俺だ。
「自業自得だ。アホ共。」
和泉さんが一掃。
三人とも黙る。確かに、アホだ。返す言葉がない。
今日も学校帰りに本部へ寄らなくちゃならない。少し面倒だが仕方ない。能力を出すようになってから、身体の辛さがなくなってきてる。
メールの着信。海からだ。
『俺、今日部活休み。遊ぶべ。北町で待つ。』
相変わらず、勝手だ。
でも、たまにはいいか。ずっと会ってないし。待てよ、またこの前みたいなことになったら・・・。秋に相談してみよう。
昼休みに、校舎の裏へ行く。辺りに誰もいないことを確認。
「秋~」
呼んでみる。あれ、近くにはいないのか。
「おーい、秋~」
ガサガサっと音がして、植木の茂みから秋が姿を現す。
「なんだよ、噛みつき坊主。」
あれ、もっとこう、いきなり目の前に出てくるのかと思ったのに。まあ、誰かに見られたら困るしな。というか、バレてたか、俺が噛みついたの。
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