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海のことを相談する。
「いいんじゃねえか。俺も前よか気をつけるし。でも、そいつまた化けてたりしないだろうな。」
「あ、そっか。」
そうだ、あの時俺は、海に化けた鬼におびき出された。
「でも、あの日は俺が呼びだしたんだし。あっちが呼びだしてきたわけじゃないから、それは大丈夫だと思う、けど。」
「わかったよ。」
学校が終わるまでに悠馬からも連絡が入った。今日本部に来るかって。海に会うといって声を掛けてみたら悠馬も来ることになった。一応兄貴に連絡を入れる。
兄貴から返信。
“秋に注意してもらうようよろしく。和泉さんの了解とった。たまには羽根伸ばしてこい。”
校門を出たところに海と悠馬がいる。
楽しそうに何か話している。こいつらこんな仲良かったか。
「おーお疲れ。」
手を上げて近寄る。
二人がギョッとした顔でこっちを見る。視線の先は、手を上げた俺の腕。
確かに酷いアザです。痛いし。
「あ、これは、ちょっと昨日いろいろあって、乱闘とか。」
ははっと笑ってみる。
悠馬があっという顔をする。
そういや、昨日の兄貴と秋のやり取りは悠馬も見てたっけ。
「大丈夫か、乱闘って・・・。」
海が腕をまじまじと見る。
「大丈夫、大丈夫。一喝されて、ゲンコツ喰らったけど。」
悠馬の顔が引きつる。だいたいの予想がついたんだろう。
「ゲンコツって・・・親父みたいだな。」
海は兄貴だとおもったようだ。
「あ~、まあ、そんな感じかな。」
「あれ~、ゆーま?」
ミカとマリナとリナだ。悠馬と知り合いなのか。
「あれ、正也と悠馬知り合い?」
「そーいや、前に正也がどうとかって言ってたっけ。」
「そっちの人は?」
と、海のことを見る。
そして、俺のアザを見ている二人をに気付いて、三人がはっとした顔をする。
「正也、それ大丈夫?」
「なんか、聞くに聞けなかったけど。」
「まさか、、、DV?」
まあ、DVかもな。
「あ、いや違うけど。」
やばくないっとか、元気なかったのってとか勝手な想像が膨らみだす。
「あー、あの違うから・・・てか、うるせー」
あんま変な噂立てないで。聞きゃあしない。勝手に盛り上がってる。女の子の想像力ってたくましい。
「ったく、お前らどんだけ俺のこと好きなんだよ。」
と、言ってみる。
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