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「好きじゃねーよ。」
三人即答。示し合わせたかのよう。
なんか、一応へこむんですが。もういい。
「行こう、悠馬。海。」
「あーちょっと、待ってよ。今からどこ行くの、そっちの人紹介してよ。」
「ついてくんなー。」
「だって同じ方向だもん。」
「悠馬久しぶりだねえ。」
女どもはなんだかんだ口実をつけてくっついてた。
結局六人で遊ぶことになった。ゲーセン行って、カラオケ行って、最終マック。
ぽんぽんと悠馬が俺の肩を叩く。悠馬の方を見ると“あれ”という感じで。店の外へと目配せしてくる。
秋だ。店の外に立ってる。背が高く、雰囲気もある男前だ。かなり目立つ。
海が俺たちの様子に気が付く。秋、待ちくたびれたかな。久々に遊んではしゃぎすぎた。
俺は席を立って、秋のところへ行く。秋は店から出てきた俺に気付く。俺は小走りに近寄る。
「どうした?」
秋は俺に聞いてくる。
「ごめんな、もうちょっとで帰るし。」
「え、ああ、そうじゃねえってゆっくり遊んで来い。」
「え、でも。」
「そうじゃない。」
「?」
「うん、・・・京がいたかも。」
「え、京が。」
「見失った。でも、あいつが近くにいるってことは、またなんか他の奴もいるかもしれないと思ってな。まあ、その辺は俺がみてっから、心配すんな。遊んでこい。」
ほらっと俺の肩を叩く。
でも、京が。
「うん、じゃあ、もうちょっとだけ。」
俺は店に戻る。
俺は思いついて、ハンバーガと飲み物を買って、秋のところへ戻る。
「秋の好みじゃないかもしれないけど。」
「お、サンキュ。」
俺は店に戻り席に向かう。悠馬以外の全員がこっちを見てる。
「だーから、詮索すんなって。」
悠馬が言う。
「えー、気になる。」
「かっこいいし。」
「正也ーだれー」
女子陣がうるさい。
「ボディガード」
俺は答える。
「えー」
「絶対うそー」
「でもかっこいい」
悠馬が俺をちらっと見る。
「嘘は言ってないぞ。」
「はいはい。」
あしらわれた。
「正也、しゃべってきていい?」
「駄目。」
「なんでー、紹介してー。」
「だーめ。」
「ケチー。」
「あいつ本命いるから。」
「「「「えー」」」」
三人が叫ぶ。いや、四人?声のした方をを見る、悠馬だ。
「だれ?」
悠馬が真顔で聞いてくる。
「いや、お前こそ、誰だよ。」
そうか、こいつその辺の事情には疎いんだっけ。しまったな。
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