仲間2(正也)

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「あー、久しぶりに遊んだー。」 「なんだよ、正也。」  海がどうしたんだ、というように俺を見る。 「ずっと家と学校の往復だし、この前ちょっと寝込んでたから。」 「もういいのか?」  悠馬が訊いてくる。 「うん、お陰様で。」 「早く自由に動けるようになりてーよ。」 「まだ、だめなのか。今日、誘ってよかったか?」  海が少し気にしたように言う。 「あー、今日は平気平気。俺もたまには外でねえと、カビ生えるし。」  悠馬の携帯が鳴る。  話し方からして、たぶん和泉さんだ。呼び出しかな。悠馬とは駅で別れる。俺は海と電車に乗る。悠馬はどこへいくんだろう。あいつは兄貴と同格くらいだからな。俺にもあれくらい能力があればな。 「どうした?正也」 「なんでもない。」 「やっぱ、元気ねえな。」 「そうか?別になんもねえけど。」 「俺に話せよ。絶対、他言しないから。だいたいこの前だって、俺に話があったんじゃないのか。あんなことがなけりゃ。もっと違う話があったんじゃないのか。」  見抜かれてる。さすがたな、俺は素直に感心する。 「そうだな。お前さ、将来とか考えたことある?」 「え、、、あー、就職とか?」 「そ、どうなりたいか、とか。親のこととか。」 「うーん、まあ、なくはないな。親は、うちは妹だから、俺がみるだろうし。仕事は高卒で働くつもりだからそろそろ考えてはいるけど。お前は?」 「うん、俺はさ、進学して働こうって思ってた。で、母さんの面倒をみてって」 「“思ってた”って?」 「ああ、大筋は変わらないけど、進学もするし働きもするし親の面倒も見るけど、なんか俺の思ってたのとは違うっぽい。それがいやとか、そういうわけじゃないけど。先が見えて、周りが見えて、それが自分が予想してたのと違って、自分の力じゃどうにもならないことばっかでさ・・・。」 「正也。」  海が俺を見詰める。 「悪い、愚痴だ。」 「いいよ、愚痴でも、何でも言えよ。聞いてやるしかできないけど。」 「ああ、それでいいんだ。」  それが、ただ聞いてくれることが、いいんんだ。  俺の乗り換える駅に着く。 「またな。」  俺は海の肩を叩いて降りる。
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