仲間2(正也)

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 「何?私たちの話?」  母さん、親父、秋がいつのまにか部屋の入口に立ってる。 「あんたらの話じゃない。俺がいかにいい父親で、和也に母親は務まらないって話だ。」  なんの、話だよ。 「和泉。うちの和也はお前の嫁にはやらんぞ。」  親父が真面目な顔でいう。まあ、ふざけてんだろうけど。 「そういう話じゃねえよ。ほしいなんていってない。」 と和泉さんは面倒そう。  母さんはくすくすっと笑う。俺は母さんの笑顔を久しぶりに見た気がする。 「親父たちも飯どう?」 「ありがとう、でも食べてきちゃったわ。」 「そういや、皐月。お前って料理できたっけ?」  秋が訊く。 「失礼ね。できるわよ、ねぇ。」 と親父に振る。 「ああ、そうだな。」 なんとなく歯切れが悪い。 「お前んとこの坊主どもは料理が上手いぞ。和泉にやるくらいなら俺にくれよ、和正。」 「なんだ、日和はどうした。怒られるぞ。」 「状況によってはありえるだろ。」 秋は悪びれず返す。 「どういうこと?」 母さんが秋を見る。 「可能性の話だ。この二人はお前には付かない。だったら、日和がお前を継いで、どちらかが俺を、そしてどちらかが京を継げば丸く収まる。」 「なんだ、俺はもうお払い箱か。」 親父が肩をすくめる。 「そうじゃない。二重ロック。和正一人じゃ、もし和正に何かあったら俺たちはどうなる。」 「何かって、そんなことさせないわよ。」 「わかんねえだろ。100%なんてない。お前、自分の子供を手に掛けることになるかもしれないんだぞ。流暢なこといってる場合じゃねぇ。正也も覚醒したんだ。そろそろその辺の話をしてもいいんじゃねえのか?」 秋は真面目だ。 「まあ、そうだな、私も考えてないわけじゃない。それにはまず京に戻ってもらわないとな。今日はその話をしに来たんだ。秋の話によると、京は正也の近くにいるかもしれない。それでだ、不本意ではあるが、秋の言う通り流暢なことは言ってられん。正也に囮になってもらおうと思う。」 一瞬の間をおいて兄貴が立ち上がる。 「な、何言ってんだよ、親父。」 「私だって悩んだ末の決断だ。」 「だめだ、ふざけんな、このくそ親父。母さん。あんたもなんか言えよ。」 兄貴が怒鳴る。 「正直言えば、もちろん反対よ、でも私は和正に従う。」 「・・・信じらんねえ、なんだよそれ。それでもあんたら・・・」 「和也。」 和泉さんが兄貴の言葉を遮る。
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