仲間2(正也)

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 沈黙。 「俺はそれでいいよ。」 全員が俺の方を見る。 「というか、それしかないと思ってる。ホント言うと、俺がもう少し能力を付けてからのがありがたいけど。でも、俺は京を早く戻してやりたい。だから大丈夫。兄貴、サンキュな。うちの両親はこんなもんだよ。兄貴だって知ってるだろ。だから、代わりに和泉さんと兄貴が父ちゃんと母ちゃんだろ。そんで、秋もいてくれる、だよな。」 俺は秋を見る。 「ああ、任せろ。」 秋は俺をみて頷く。 「正也。」 兄貴が俺を見る。俺は兄貴に頷いて見せる。 「正也になにかあったら、親父、母さん、それから秋、承知しないからな。」 三人は深く頷く。 「詳しいことは後日本部で。今日はもう遅い、私たちは帰るよ。正也、よく言ってくれたな。それから和也、お前も。お前がそう言ってくれるから私たちも正也も救われる。」 親父は怒るでもなく、落ち着いてそう言った。 「本当に、私たちはいい息子を持ったわ。」 母さんも落ち着いている。  二人はそれだけいうと帰っていった。  兄貴は明らかに怒ってる。 「兄貴、ごめん。」 「いま、話しかけんな。」 部屋へ行ってしまう。 「和也。」 和泉さんが呼び止める。 「解ってます。解ってますけど、腹の虫が収まんないんで、ちょっとほっといてください。」 それでも和泉さんは兄貴のあとを追う。 秋と目が合う。 「すまんな。」  秋が申し訳なさそうに言う。  俺は首を振る。 「よかったよ、言い出してくれて。いやな役させてごめん。」  秋はふっと笑った。
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