仲間3(悠馬)

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 海の家の隣の屋根から観察。窓のカーテンは閉まっていて、電気も点いていない。 「うーん、なんだろうな。触ってみないとわからんな。」 笹島さんが俺を見る。なにを言いたいかは分かった。 「はい、いってきます。」  仕方がない、俺は携帯を出して海に掛ける。  海はすぐに電話に出た。 「はい。」 「あ、海?今いいか?」 「おう、なんだ?」 「ちょっと話たいことがあって、今お前の家の前なんだけど。」 「え、ああ。・・・家の前?。」 「悪いな、急に。」 「ちょっと待ってろ。」  電話が切れる。  俺は下へ降りて、玄関へ向かう。  玄関のドアが開き、海が出てくる。 「どうした?」  俺はにこっと笑顔を作る。 「わりぃな。」 「ああ、まあ、上がれよ。」  海は部屋に通してくれる。やっぱりあの部屋だ。  侵入成功。 「きったねえ。」  俺は海の部屋を入り口から部屋を見渡す。想像よりも、荒れている。まあ、男子の部屋はたいがい汚いもんだけど、それにしても。 「うるせえわ。それよか、話って?」 「あー、いや。今日ごめんな。女どもが付いて来ちまっておまえは知り合いじゃねーのに、正也と会うのも久しぶりだったんだろ?」  部屋に入る。特におかしな感じはしない。 「ああ、いいよ。おもしろかったし。」 「そっか。」  俺は窓に近づき、カーテンの隙間から外を覗く。向かいの屋根に二人の影。やっぱり、移動してない・・・。あんたらがそこにいるとまずいんですけど。 「なんか飲むか?ちょっと待ってて。」  タイミング良く海は部屋から出ていく。  チャンス。  俺はカーテンを開けて、腕を振って“退いてー”、と合図する。二人は、”あっ”という感じで、消える。暢気だな、あの人たち。  窓の外に張り付く結界、なのか?。窓を開ける。発動。  海、まだ戻って来るなよっと念じながら、そっと手を触れる。何だ、これ。  部屋の外に足音。  俺は能力を納める。海が部屋に入ってくる。 「何してんだ?」 「ああーっとたばこ、いい?」 「いいけど、お前、吸うの?」 「あーっと、たまに。」  俺は鞄からたばこを探す。俺は喫煙者ではないけれど、一応小道具として必要なこともあるので持ち歩いている。 「たまにってなんだ?灰皿ないから、これな。」  近くにあった空き缶を渡される。 「ありがと。」  ペットボトルのコーラをもらう。
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