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少しすると、家全体が結界に包まれた感じがした。
それにしても。さっき一瞬、違う物がいたような。
触手の主とは違う、たぶん鬼?。辺りの気配を探ってみるが、もう何も感じない。
「落ち着いたか?」
「ああ、びびった。」
「俺も。」
「もしかして、あれの為に来たのか。」
「ん、、、まあ。」
「だったらそう言えよ。」
「あんなのが出てくると思ってなかったから。」
「でも、助かった、すごいなお前。この前もそうだけど、とっさに、よく対処できるよな。」
「いや、まあ。」
そのために訓練してるから。
「正也は、平気なのか?」
「大丈夫。ボディーガードがいたろ、あの人めちゃくちゃ強いから。」
人じゃないけど。
「そうか、ならいいけど。」
「それから、ここの家と近辺は保護されたし、お前もお前の家族も心配ないから。」
それから一時間ほどで、笹島さんから連絡が入り俺は帰る。帰りに廊下で海の妹とすれ違った。お邪魔しました、と俺が挨拶をすると少し恥ずかしそうにペコっと頭を下げる。
ごつい海とは全然違う。普通に女の子っぽい感じの子だ。
「じゃあ、何かあったら連絡くれ、こっちも警戒はしてるから。」
「ああ、サンキュな。」
「お前の妹、全然似てないな。似なくてよかったな。」
「よく言われるよ。」
「だろーな、じゃあな。」
道に出ると、和泉さんと和也さんも来ていた。
俺は状況を報告する。鬼らしい気配を感じたことも伝える。
家に帰ってから、マリナの件を思い出す。
しまった。結局、誰も捕まらなかったことにして謝った。別に怒ってもなかったけれど、埋め合わせに次は一緒にいくことを 約束させられた。いいけど、俺忙しいんだよ。
次の日から笹島さんたちと一緒に周辺の調査に入る。が、特に手掛かりは見つからない。
ここのところ本部に行くと正也がいる。訓練らしい。俺も訓練したいけど、調査メンバーに入れてもらってるのでそうもいかない。
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